沙門ブッダの成立

沙門ブッダの成立

沙門ブッダの成立 ―原始仏教とジャイナ教の間

山崎守一

四六判
224頁
税込2,484円
本体2,300円
978-4-8043-3071-6
2010.11

ほぼ同じ時期に同じ地方で興った仏教とジャイナ教――。ジャイナ教がヨーロッパの研究者に初めて知られた時には、あまりにも仏教に似ていることから仏教の一宗派と見なされたほどである。
 そして現在、ジャイナ教の初期聖典には、『スッタニパータ』や『ダンマパダ』をはじめとする最古層の原始仏典と、驚くほど内容の重なる部分が少なからず存在することが、徐々に明らかになってきた。しかし、両宗教聖典の言語であるアルダ・マガダ語とパーリ語の難解さとその分量の膨大さのため、両者を厳密に比較分析して読み解ける研究者は世界でもそれほど多くない。
 本書は、その数少ない研究者の一人である著者が、両宗教聖典の経文を駆使して、今までとはまったく異なる視点からブッダの実像とその生きた時代を浮き彫りにした、かつてない原始仏教入門書である。

【目次】
第一章 ウパニシャッドの思想
アーリヤ人の侵入とその社会/ウパニシャッド文献/梵我一如/輪廻転生
第二章 仏教を理解するための資料論
三蔵の編纂/経典/パーリ語聖典の特質/聖典の言語
第三章 仏教誕生の背景
バラモン教の衰退/六師外道
第四章 出家修行者たちの実態
沙門の存在/沙門の実態
第五章 沙門(出家修行者)の呼称
代表的な名称/サマナ
第六章 ゴータマ・ブッダ
様々な呼び名/八相示現
第七章 禅定と苦行――ジャイナ教との比較
ビンビサーラ王との出会い/二人の仙人/苦行/頭陀行/ジャイナ教の苦行/降魔成道
第八章 覚りの内容
体系化以前の「覚り」/アーサヴァの滅/三法印・四法印/諸行無常/諸法無我/縁起/十二縁起/四諦・中道八正道
第九章 ブッダが目指したもの――平安の境地
梵天勧請/苦しみの終滅/涅槃という考え方/不死/最後身/彼岸