中国中観思想論

中国中観思想論

中国中観思想論 ―吉蔵における「空」

高野淳一

A5判
384頁
税込10,800円
本体10,000円
978-4-8043-0580-6
2011.11

隋から唐初にかけて活躍し、中国仏教における中観・空思想を一つの究極に導いたとされる吉蔵(549-623)。現存するかれの著作の精査を通して、その思想の枠組から展開の過程、到達点までを浮き彫りにし、さらに、先行する古訳以来の仏教理解、類似する中国固有思想、同時代の仏教者の見解との比較・考察により、かれの思想の源流と、その普遍性・独自性を多角的に探究した、稀にみる知的冒険の書。

【主要目次】

序 章 本研究の目的
第一章 吉蔵の伝記と著作
第二章 吉蔵思想の枠組―『大乗玄論』の検討を通して
 二諦/八不/仏性・一乗・涅槃/二智/教迹・論迹/
 全体を通して―吉蔵思想の基調
第三章 吉蔵思想の展開
 会稽時代の思想/揚州時代の思想/長安時代の思想
第四章 吉蔵思想の基底
 吉蔵と羅什訳経論をめぐって―中仮の成立
 古訳般若経の「仮」の思想をめぐって―中仮以前Ⅰ
 魏晋期の固有思想をめぐって―中仮以前Ⅱ
第五章 吉蔵思想の位置
 吉蔵と僧肇をめぐって―三乗観を中心に
 吉蔵と浄影寺慧遠をめぐって―維摩経解釈を中心に
 吉蔵と天台三大部をめぐって―煩悩観・智慧観を中心に
終 章 吉蔵における「空」